社会貢献活動の流れ

営利企業には社会性、奉仕活動には事業性を

概要

従来は、企業は事業性に高く社会性が低い、対して非営利法人・奉仕団体は社会性に高く事業性は低いと思われていたかもしれません。
ところが世の中変わり始めているようです。非営利法人、奉仕団体には益々事業性が求められてきています。プロジェクトの目的がいかに人類愛に基づいたものであったとしても、本当に持続可能か?どんなメリットがどの位あるのか?それを数値化することができるか?などが問われて来ています。
お金が正しく効率的に使われているかどうかも厳密にチェックし、それを公にしなければなりません。奉仕団体内での意思決定がフェアなものだったか、有力者の鶴の一声ではなかったかも問われます。
事業性と社会性のマトリックス図で見れば、非営利法人・奉仕団体は、右下から右上への動きを見せています。反対に営利企業には益々社会が求められ、左上から右上への流れとなっているように思われます。

ソーシャルビジネス━社会的課題の解決のための事業

上記マトリックス図の右上を狙ったのがソーシャルビジネスと言われる社会的企業です。一番有名なのはノーベル平和賞を受賞したユヌスさんが設立した、貧しい女性のための少額融資をするグラミン銀行でしょうか。

1974年ユヌス氏が27ドルを42家族に貸したことがきっかけで始まったこのソーシャルビジネスは現在では世界各国に広まり約一兆円の融資残高があり、98%の返済率を誇っているとも言われています。このケースのように社会的課題の解決を図るための取り組みを持続可能な事業として展開することをソーシャルビジネスと言います。

ソーシャルビジネス━社会的課題の解決のための事業

日本で有名なのは駒崎弘樹氏が始めた病児保育システムです。「女性が輝くように」というスローガンはあっても、子どもが風邪を引けば保育園は預かってくれず、休んでいるうちに会社を首になってしまったりします。そうしたお母さんのニーズに答えたのが保育スタッフに子どもを預け、小児科医の往診も受けられる認定NPOフローレンスです。

象を守りたいという人たちが象のフンで作った紙(象さん紙)の販売を行ったり、フンを燃料として使うなどのリサイクル事業を展開することで、単に象保護の寄付を募るより、事業化することで、継続性が図れます。

ソーシャルビジネス━社会的課題の解決のための事業
ソーシャルビジネス━社会的課題の解決のための事業

テーブルフォツー(TFT)は社員食堂や学生食堂と提携し、健康的だけど簡素な給食メニュー(TFT食)を提供することで、一食が途上国の子ども一人分の学校給食になるというシステムです。一人で食べていても世界のどこかのもう一人と一緒に食べている。世界とのつながりを感じさせる取り組みです。先進国での肥満問題と途上国の飢餓問題を同時に解決しようとする日本発のNPOです

ソーシャルビジネスは会社組織、LLC,NPOなど形態はまちまちですが、社会的課題をビジネス手法で解決していくという試みで、今大きな流れになろうとしています。 ソーシャルビジネスの一部を表にしましたのでご参照ください

企業の社会貢献活動

近年は、企業が自社の資源やビジネスの仕組みを活かした社会貢献活動が広がりを見せています。同時に既存のNPO活動とのタイアップ、寄付付き商品の提供、社会貢献型の株主優待を導入する、NPO法人活動に社員を派遣する、といった活動を行う企業が増えていると報じられています。

この背後には内閣府の調査に見られるように、1)「社会に役立ちたい」という意識を持つ人が増加傾向にあること、2)就職活動学生の意識調査に見られるように、就職先を探すときに、「給与や勤務地」以上に「社会への貢献度・影響力」が重視されてきていること、3)企業の社会貢献活動が社員の誇りとなり、会社へのコミットメントの意識の高まりに貢献していることなどの状況があります。

企業とNPOのパートナーシップ事例
社会貢献型の株主優待を導入している主な企業
NPO法人などの活動に社員を派遣する企業例
消費者の社会貢献意識

社会貢献の流れ―世界

資産の大部分を寄付に回す起業家たち

最近の米国では「子どもに残すより有意義な社会貢献活動にお金を使う」傾向が強まっているそうです。

ビル・ゲイツ

Bill Gates gives $100m for AIDS vaccine trials

Bill Gates gives $100m for AIDS vaccine trials
AP Photo/Herbert Knosowski, studentBMJ.com より

ウォーレン・バフェット

Bill Gates gives $100m for AIDS vaccine trials

写真-Wikipediaより

あのビル・ゲイツも、投資の鉄人と言われるウォーレン・バフェット、両氏とも子孫にあまり資産を残す気はないと言っています。
ゲイツは54歳のとき実業から身を引き、活動の重心を財団を通しての社会貢献活動に移しました。

アフリカ旅行で見た感染症の酷さにショックを受けたのがきっかけと言われ、爾来フィランソロピー活動に、自分のお金だけでなく、培ったビジネスノウハウを駆使して奮闘しています。(ポリオの撲滅を呼び掛けるロータリーに同額補助の申し出をしたことでも知られています。)ビル・ゲイツの父親は長年ロータリアンであったそうです。

Mark Zuckerberg

マーク・ザッカーバーグ

最近ではフェイスブックの創業者のザッカーバーグ氏が娘の誕生を機に、「彼女のためにもよりよい世の中を作りたい」と資産の99%を漸次寄付すると発表しました。

これには社会貢献というより別の意図があるのではないかという批判が出ていますが、「米国社会全般に多額の遺産を残すより自分が信じること、社会に役立つことの為に自分の資産を使いたいというムードが強くなってきている」と寄付コンサルタントは言っています。


委員長 榊原節子 東京恵比寿RC


副委員長 福井衞 東京武蔵府中RC


委員 舘和博 東京中央RC


委員 森田光一 東京大森RC


委員 木村眞 東京恵比寿RC


委員 森家芳江 東京城南RC


委員 Kristina Sayama Rotary E-Club of Pago Bay Guam


奉仕研究委員会